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東大門にプチプラ、K-POP 韓国ECのプロに聞いた“韓国を知るためのキーワード”

14 FEBRUARY 2018

WWD JAPAN

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韓流ブームを皮切りに、韓国のトレンドはファッション業界でも大きく取り上げられるようになった。その後、BIGBANGなどのアイドルから“オルチャンメイク”といったメイクトレンドまで、“韓国らしさ”は1つのカテゴリといえるほど成長した。しかし、韓国アパレルビジネスの現状やトレンドの裏側となると、意外と知られていないのも事実だろう。そこで、“知られざる韓国アパレルの今”をテーマに、最前線にいるアパレル企業やEC業者への取材を敢行。見えてきたビジネス像を連載形式でお届けする。

 初回は、韓国ブランドを日本で販売するECサイト「サードスプリング(3rd Spring)」の崔瀚友(チェ・ハンウ)リアルコマース社長をピックアップ。崔社長は韓国で長くファッションECに関わった後に日本でECサイトを開設した経歴を持ち、韓国のファッションビジネスから日本の現状まで、広く業界に精通する。まずは“韓国アパレルの今”について、話を聞いた。

WWD:「サードスプリング」というECサイトについて教えてください。

崔瀚友リアルコマース社長(以下、崔):約20の韓国ブランドをネットで販売しています。韓国にはさまざまなテイストのブランドがあるのですが、それぞれのカテゴリのトップ企業を扱っているというイメージです。おかげさまで、売り上げは昨年比80%増と成長が続いています。

WWD:価格帯は?

崔:現状は5000〜6000円の低価格帯ブランドがメーンです。韓国といえば“プチプラ”という印象が強いですが、2万〜3万円のアッパーステージ・ブランドが実は増えています。まだまだ規模は小さいですが、今後伸びてくるはず。まずは日本での安いというイメージを払拭することと、高価なアイテムを買ってもらえるように、実物を見せる場所を作ることも必要だと思います。

WWD:どんな人がターゲットですか?

崔:韓国を好きな人はもちろんのこと、もともと韓国のことを知らない人に対してもデザインで勝負していきたいと思っています。韓国まで行って洋服を買う人も多いですが、彼女らに対して安全・簡単に買える仕組みを作ることで、もっと購入者も伸びていくはずです。

WWD:韓国ファッションといえばウィメンズのイメージがありますが、メンズ市場はあるのですか?

崔:日本の男子はこだわりが強いので、少し時間はかかるかもしれませんが、広がってきていますね。きっかけは“ストリート”や“ヒッピホップ”です。ちなみに韓国の男子はこだわりが少なく、流行というものも少ないんです。

WWD:どうやって韓国ブランドを見つけるのですか?

崔:もともと韓国でECをやっていたツテもありますが、ネットで検索もします。ただ、やみくもにブランドを増やすことはなく、トレンド性に加えて、きちんと在庫を補充できるか、などの基準を作ってブランドの立ち位置を把握して選別しています。

WWD:韓国ビジネス好調の理由はなんだと思ますか?

崔:やはり1番はK-POPの影響だと思います。また、デザイナーを目指す若者が多く、留学制度も整っていたりと、国としてのバックアップも強力です。それに加えて、韓国ブランドのトレンドの幅が広いことが挙げられます。日本では服の多様性が失われつつあるという課題を感じています。セレクトショップのプライベートブランドはとてもベーシックですよね。それに比べて、韓国ブランドは差別化を意識しています。だから、いろんなテイストがあって、カバーできるトレンドの幅も広いんですね。東大門(トンデムン)という生産拠点を活用することで比較的安く、日本にはない多様な洋服を作ること、これが韓国ブランドが日本で受け入れられる理由だと思います。

WWD:そもそも、韓国ブランドの特徴とは?

崔:韓国にはネット発のブランドが多いですね。東大門には生地屋さんや問屋さんがたくさんあるので、まずは洋服を仕入れたり作ってみたりして、ネットで少数を販売してみる。先ほども話したように、韓国では差別化を意識するブランドが多いので、ネットにあげる写真も、コーディネイトや撮り方にとても気を使います。これが韓国ブランドのECサイトが画像クオリティーが高い所以ですね。そうして、売れる商品を見つけて、少しずつ成長していくというのが韓国アパレル企業の定石です。

WWD:東大門という町の力が大きいんですね。

崔:韓国人は短い企画期間で商品を作り、売れたものを伸ばそうという意識が強いんですね。特に、アメリカの流行を取り入れた商品をすぐに小規模で作って売るんです。この流通に対応できる生産能力を東大門は持っています。だから、韓国ではヨーロッパのトレンドが市場に出回るスピードが日本より数年早いように感じます。

WWD:そんな韓国ブランドにとって、日本市場はどのような位置付けなんでしょうか。

崔:韓国ブランドが海外に出ていくにあたって、日本はアメリカに次ぐ市場です。しかも、日本ではすでに、韓国ブランドが、洋服を探す選択肢の1つになっています。すでに渋谷109地下2階のインキュベー ションプラットフォーム「イマダ・マーケット(IMADA MARKET)」ではポップアップイベントを行ってきましたが、今後はさらに商品に触れる機会を増やせるように、商業施設と組んで常設店舗を出していきたいと考えています。

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